介護と仕事を相互に活かす– 介護と仕事は相互に活かし合う経験です –
在宅介護は親御様が寿命に至るまで命懸けで教える≪死≫のレクチャーです。そのマスターは、あらゆる困難を克服する逞しさを与えます。
アップル社のスティーブ・ジョブズ元CEOの言葉を借りれば、ご自身が余命宣告を受けた際、死について、「人生で大きな決断をするうえで、私が手にしたなかでも、もっとも重要なツールだった。」と述べています。在宅介護を完遂した人は、誰もが例外なくそのツールを手にしています。
介護と仕事は、相互に活かし合う経験なのは間違いありません。経営陣、従業員にとって、ご自身の親御様の介護は、その人自身に、そして企業にとっても有益でしかないのです。
しかし、その事実に気づいている人は、ほんのわずかです。企業は、集う協力者を介護離職させている場合ではありません。在宅介護の経験を組織にフィードバックしてもらい、発展のエンジンにしなければ大損する時代に気づくべきです。
高齢化社会が問題?それは、死を直視したことすらない未熟者の戯言です。
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介護で追い詰められる子の心の解放
少子の時代を迎え、高齢者二人以下住まいが増えるという極端な核家族化が進んでしまったおかげで、「大人の介護教育」が必要な時代となりました。なってしまった、と書いた方が良いのかもしれません。かつての日本人の庶民の暮らしは、助け合いが基本でした。他人でも、体調がすぐれなければ近所の人が気にかけてくれるほどです。今となっては、それは煩わしさの象徴ですね。生活の利便性が向上し、助け合う必要性も薄れ、マンションにおいては隣に誰が住んでいるのかさえ判らない時代です。伝統的に家庭内で在宅介護の大切さが醸成され、代々につながるカルチャーとして、親を介護する習慣が消滅に向かうのであれば、長寿社会は暗黒でしかありません。 -
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なぜ介護で親を殺害するのか?
介護する子が年老いた親御様を殺害する事件が後を絶ちません。そもそも、親を殺害する、もしくは自死を選択する理由から学ばないといけません。まず、その行為が異常です。しかし、殺害してしまう。地球を俯瞰してみても、自ら命を絶つ生命は、人間だけ。親を殺害する生命も、ほぼ人間だけなのです。しかし、その時、すでに人の心は失っています。 -
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なぜ介護休業は取得しにくいのか?
40代~60代のサラリーマンで、年老いた親の介護に直面して、初めていろいろと調べるのが介護の世界ではないでしょうか?親も元気、自分も元気なうちは、介護の世界は他人事だったはずです。そして、年老いた親御様の病状、例えば認知症を取り上げてみても、初めて直面するその症状に驚くはずです。そのような精神状態で、親御様の介護の見通しと、自分のキャリアの両立など、考えられるはずはないですね。なので、介護休業すら上手に取得できません。 -
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従業員の介護休業取得は企業にとって企業価値向上の投資です
日本は、多くの中小零細企業が産業を支えている素晴らしい国です。なので、独創性が花開き、信用がそこに蓄積され、文化が発展します。しかし、従業員の親御様に介護が必要となると、従業員は介護に注力せざるを得ず、企業体力が削がれます。この課題に対する対処方法は無いように思われます。しかし、実は違います。非常にやりがいのあるチャレンジがそこにあります。お伝えしましょう。 -
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親の介護と仕事の両立について
これから先、高齢化社会が進み、それが問題だと報じられます。しかし、ニュース番組をご覧になってみてどうですか?インタビューに普通に答えているお元気な90代の方々が多くなっているように見受けませんか?本当に介護サービスを必要としている人には、これまでのスタイルでの介護サービスは必須です。しかし、これからの時代、70代、80代でもバリバリ現役の国会議員さんがわんさかと多くなります。つまり、老後の引退という概念がなくなる時代のあるべき介護サービスとは?今までのようなスタイルが本当に必要?という変化が訪れるのではないか、というのが私の見解です。 -
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介護サービスは頼りすぎれば破滅を導くアウトソーシング
ハッキリと申し上げます。もし、あなたが責任をもってやるべき仕事があって、しかしどうしても専門性を持った他の誰かの手を借りなければいけない状況に陥ったとします。しかし、やるべきその仕事に対してあなたが手を抜いていたのが判明したら、専門性を持った他の誰は快く手を貸してくれると思いますか?その答えは、絶対にノーです。しかし、在宅介護の現実ではそれが横行しています。 -
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ワークライフバランスと在宅介護
当ウエブサイトをご訪問してくださる方のなかには、在宅介護と仕事の両立に悩む人も少なくないのではないでしょうか。私も、つい昨日のように思い出しますが、今から12年以上も前、実母の在宅介護が始まった当初、経営している会社の社名を変更するなど、経営方針を変えました。だからといって、仕事を犠牲にしたとは思っていません。会社としてもターニングポイントだったに過ぎません。そもそも、ワークライフバランスは、家庭では、その営みへに責任と、社会では職務への責任、それぞれを高次元で成り立たせる取り組みです。仕事で手を抜いて、家庭でのんびりする行為ではありません。 -
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日本を日本としてたらしめるのが在宅介護
第2次世界大戦後の核家族化の風潮により、「代々」という言葉が陳腐化してしまったのは日本にとって大変なデメリットです。少子化が問題であり、長寿化はめでたいことなのに、長寿化の言葉は差別的な高齢化という言葉に置き換わり、少子高齢化が問題とメディアでは吹聴されています。逆に言えば、長寿化社会を実現できるまでに成熟した国であるにもかかわらず、これを良しとせず、問題視しかしないので子を持つのを躊躇します。長生きはリスクでしかない。その狭小なヴィジョンから抜け出せないから少子化なのです。 -
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在宅介護は自らのルーツを解き明かす
自らの出自やルーツを把握するという試みは、「自分はどこから来たのか?」という問いが個人のアイデンティティ形成にとって極めて重要だからです。米国では、系譜学として体系づけられた学問になっていると聞きます。年老いた親御様の在宅介護は、みずからの出自やルーツを解き明かし、親の最期が子との別れを絶対にした後、子の人生に大きな意味をもたらします。 -
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在宅介護が投資なわけないだろう!それは昨日までの正解です
年老いた親御様の在宅介護は投資です。そのように聞いて、その通り!とおっしゃってくださる方は極めて少数派化もしれません。そもそも何のリターンが期待できるのか?現実的に期待値が無いのですから、在宅介護が投資だなんて戯言でしか聞こえないでしょう。それに、実際の在宅介護の現場は、てんてこ舞いの日々ですから、何に対して、何を投資しているかといった視点すら持てないはずです。でも、年老いた親御様の在宅介護は投資なのです。解き明かしましょう。 -
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親御様の在宅介護は好転しかないターニングポイント
年老いた親御様の在宅介護は、好転しかしないターニングポイントです。理由は、簡単です。自分の人生に≪期待≫は成り立たないとハッキリと自覚できるからです。介護する親御様が亡くなる年月日は、いつなのか?全く、わかりませんね。判らないのですから、預貯金を切り崩しているとすれば、かなりの節約生活を強いられ、経済的には苦しくなる一方になります。しかし、それが人生を好転させていくスイッチです。 -
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ビジネスケアラー・茨の道を進め!
ビジネスケアラーという言葉が認知されつつある世の中になってきました。介護離職を余儀なくされるのではなく、仕事をしながら、ケアの必要な年老いた親御様の介護を在宅でおこなう人を指す造語です。大まかには、在宅介護をする社員を企業が支援するにあたって、国が補助する仕組みが動き出しているということを聞いています。私は、世の中のこの流れを強く支持します。なぜなら、ビジネスケアラーを支援する企業は、将来の成長が約束されるからです。 -
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介護施設に預けた親が亡くなった時、自分に何が残るのか。考えたことがありますか?
年齢如何に関わらず、あなた様にお聞きします。『あなたは、本当に介護施設のお世話になりたいですか?』もちろん、独居や子供がいらっしゃらないご家庭、または老々介護といった状況であれば、介護サービスの介入は非常に助かります。ですから、そのような最も必要とされる境遇の方々に介護サービスは特化すべきというが私の考えです。一方で、子による在宅介護が可能であれば、それを主として、公の介護サービスは従という位置づけで力を借りるべきと考えます。 -
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≪ 命 ≫を見たことがありますか?
介護が身体介護で語られているうちは、その本質は判りません。在宅介護は命のレッスンを受ける場です。命を見たことがありますか?『自分の』として捉えられる命、それは自分自身の命以外に、親子の間以上に濃いものはありません。だから、在宅介護は≪命≫レッスンの場として成り立ちます。在宅介護は、その命が消えていくのが判っていながらも、そのプロセスを懸命に支えますから、初めて命が見えてくるのです。 -
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絶望から逃げるなよ
絶望の学び方って知っていますか? それは、絶望に瀕するしかありません。 誰もが避けたい現実のはずです。 しかし、絶望を知らなければ、本当のリジリエンスは身につきません。 リジリエンスとは、復活への強靭さです。 2024年に能登半島は、...
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