在宅介護は≪今・この時≫を切り拓く– ≪今・この時≫を切り拓く力は最強です –
2023年の夏。3度目の介護を終えることになりました。大切な岳母を喪いました。判ってはいますが、死を前にして、人は無力でしかありません。でも、この無力を知ることこそが人生の本当のスタート・ライン。
アップル社のスティーブ・ジョブズ元CEOの言葉を借りれば、ご自身が余命宣告を受け、死について、「人生で大きな決断をするうえで、私が手にしたなかでも、もっとも重要なツールだった」と述べています。
在宅介護を完遂した人は、誰もが例外なくそのツールを手にしています。
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ペンではなく頭脳になれ!在宅介護はそう促します
初めて年老いた親の在宅介護をやると経済的に苦しくなるかもしれません。でも、そのような苦しい気持ちを在宅介護の経験の無い友人に打ち明けるのはやめましょう。≪働いた方がいいよ≫と言われるのがオチです。これは、あなたがペンだとしましょう。ペンとして機能できないのに、ペンとして使えるようになれと言われているのと一緒です。そうではありません。その代わりが始まったのです。それはペンではなく、頭脳としての機能を要求されています。 -
在宅介護はトップに立つ必須履修科目です
もし本能のままに総理大臣や都知事をやるとどうなると思いますか?答えは今の社会を見渡してみてくださっている通りです。逆説的に考えてみてください。つまり、トップに立つ、その素養は≪理性≫です。そして、理性は年老いた親御様の在宅介護で育ちます。ライオンなどこの地球上にいる人間以外の生命は年老いた親の面倒を看ません。唯一、人間だけが年老いた親の介護をします。その重責を担う原動力が≪理性≫です。≪理性≫の無い人間の姿カタチをした生命体にトップがつとまると思いますか? -
在宅介護に品質管理の観点はとても有益
Qualityはなぜ必要で管理が必要で保証しなくてはいけないのか?それはモノ・サービス、また生活のしやすさといった点も、それを享受する大切な人の命を守り育むために必要であり、安心と安全の基準を満たし、それが永続的に維持できるようにする。この目的があるのです。でも、よく考えてみてください。誰にとっても、そのQulityが最も求めらる身近な現場があるのです。それは、大切な人の象徴でもある親御様への在宅介護です。在宅介護は弱くなっていく命を守り育む活動だからです。 -
介護離職は自由へのパスポート
毎年10万人前後の人が介護離職をすると聞きます。例えば東京都だと昭島市の人口が12万人弱です。相当な人数です。しかし、報道では未だにそれが問題だと報じられますが、違います。年老いた親御様の在宅介護は能力が高くないとできません。なぜなら、親の介護は人間で生まれてきた以上、人間以上で死ぬための登竜門的な取組だからです。これをチャンスと言い、実は相当な数の人が掴んでいます。 -
死は大きな決断の重要なツール
いま社会人と言われいる人たちが仕事をしている姿勢は、自分のためです。しかし、盛田さんや、ジョブズさんの仕事に対する姿勢は、他者よりも自分の幸せを優先したでしょうか?答えは、ノーです。年老いた親御様の在宅介護も同じことです。他者の幸せのために仕事をするのが、真の社会人です。その結果が自分にフィードバックされている程度の認知は、真の社会人の新人研修内容です。この心構えがある人に、親の介護をしながら、どうやって生活を成り立たせるのか?という疑問は生まれません。成り立たせるために心と頭があるのです。
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