在宅介護をやっていると、どうしても一日、もしくは二日といった日数、介護する子としては家を空けなくてはいけない状況を迎えます。
例えば、離れた場所での冠婚葬祭がその典型ではないでしょうか。親族であれば、母を連れていきますが、私の親しい友人となれば、それは難しいでしょう。
その時に助かるのが、ショートステイ・サービスです。
2010年代のショートステイ・サービス
私が母の在宅介護をしている頃は、福祉サービスが拡充されていく頃でした。
2025年の現在、政治的課題として高齢者福祉の充実を大々的に訴える議員候補者は少なくなりましたが、10年以上前は福祉サービスの拡充を訴える政治の立候補者は多かったです。
結果として、さまざまな高齢者向けのサービスが展開されています。
それでもなお、超高齢化社会は問題であり、それは深刻だ、と言われています。
しかし、そう遠くない未来には介護サービスも減少傾向になるでしょう。
高齢者が高齢者として、いつまでも生きられるわけではないというのも理由ですが、そもそも論として、今の若い世代が利用したいとは思わないです。
確かに、老後に身体の自由が奪われたときにどうするのかという心配は尽きませんが、そうならないように用心する機運は今以上に高まっているはずです。
少し話がずれたので元に戻すと、今はどうか判りませんが、一言でショートステイと言っても、事業所ごとに特色がありました。
ある企業は、通期で入所させる人と、ショートステイを利用する人のための老人ホーム的な建物を建設しているところがありました。
見学にいきましたが、かなり設備投資をしているな、と思われる建物であり事業所でした。
ただ、営業が出来た期間は短かったようです。
費用面で、集客がままならない。
一度だけ、私の母もショートステイで利用をお願いしたことがありますが、いかんせん費用が高い。1泊で数万円ですから、利用の足も遠のきます。
母へのお願い
とはいえ、初めてショート・ステイは、その費用がお高い施設にお願いしました。
なぜなら、最初から設備やサービスの悪いところにいけば、今後、母も絶対に行きたくないという気持ちになるのは当然です。
認知症だからといって、好き、嫌いがわからなくというのはありえない話です。
目的は、母にはショート・ステイを経験してもらいそのサービスを受け入れられそうか否かの確認、そして、私にはレスパイトが必要だったこともあり、サービスを利用してみることにしました。
一泊でお願いしたのですが、その事前の準備は手間のかかるものです。
まず、ケアマネ、母、私、そしてショート・ステイのサービスを提供してくれる施設長、そしてその施設の相談員で担当者会議を実施しないといけません。

当時はたった一泊なのに?、と思ったりしたのですが、ルールでもあり、契約書の読み合わせ、署名捺印等々、1時間以上を要します。
また、施設からのお願いとして、場合によっては拘束の必要性を説明されます。
昔のように、手足や胴体を縛り付けるという道具ではなく、センサーによる監視です。
センサーも拘束の一種だというのは、当時、初めて知りました。
このショート・ステイのサービスを提供する事業所のセンサーは赤外線による監視でした。
夜間の就寝時に起き上がって徘徊するといった事態に備えるため、ベッドの頭部に設置されていました。
フロアがいくつか階数に別れていて、夜間のスタッフが少なければ致し方のない処置と言えるでしょう。
また、このときは当然と思っていたので気にも留めなかったのですが、ショート・ステイで宿泊するお部屋は個室です。
実は、この個室というのがどういう意味かというと、当時、在宅介護初心者の私にとって、どの施設でもショート・ステイのサービスは、それがデフォルトだと思い込んだのです。
これは後々の在宅介護のある暮らしで、ショート・ステイする際には重要視しなくてはいけない条件にもなっていくのです。
楽しく終えた初めてのショート・ステイ
一泊とはいえ、着替え、服用する薬、その他にも母が必要とするグッズをパッキングしてあげて、いざ出発です。
実は、私達が暮らす家のすぐそばに施設があるので、母を連れて徒歩で施設には伺いました。
これまでデイ・サービスの経験がありますから、その延長線上なので特段、嫌がるわけでもなくむしろ楽しみにしてくれたのは、私にとっては非常にありがたく思った次第です。
また、デイ・サービスのレクリエーションとは違って、施設内で自由にさせてくれたり、音楽を楽しむようなイベントもあって、母と私にとって、初めてのショート・ステイの経験は、ストレスがかかるような事態にはなりませんでした。
とはいえ、これはあくまでも今回に限った費用のお高い施設でのショート・ステイでの話になります。
次にお願いしたショート・ステイのサービスを提供してくれた施設では、母は非常に恐怖を覚えて帰ってくることになるのです。
一泊とはいえ、また認知症だからといって状況が呑み込めないのかと言えば違います。
外泊して欲しいと、介護する子供から言われてのことだというのは親はちゃんと理解しています。
そもそも、昔の親であれば、介護を子に期待したい親というのは居りません。もちろん、そうしてくれれば有難いという思いはあります。子に迷惑をかけたくないという思いは親であれば当然の想いです。
その気持ちを理解したうえで、お願いするのがショート・ステイです。